第21回講演会報告

「開会の挨拶とコロナウイルスの現状」

金沢大学教授 市村宏氏が開会の挨拶とコロナウイルスの現状を、石川県を例に紹介された。

「活動報告」

理事長 松本高明の活動報告では第21回まで講演会を開催してこられた感謝と厳しい現在の状況の中で講演をお受けくださった講師の先生方、この会に参加してくださった皆様方に厚い感謝を述べた。

第1部:講演会

講演1:大槻公一氏「新型コロナウイルス感染症対策―過去に実施した鳥類コロナウイルス実験からの考察―

大槻氏は、30年前のご自身が行った実験について「過去のものではあるが、今、役立つ」とし、ウイルス名が『コロナ』になった由来やウイルスの分類、野生のコウモリと鳥類にはコロナウイルスは既に存在していた事などを述べた。

本来は人を宿主としない病原体の新型コロナウイルスが動物から人へ感染してまだ間もない、未知の部分が多いウイルスであるため、効果的な防疫対策をたてるのは難しいとし、限られた時間の中、実施した実験結果を大きく5つに分け、丁寧に解説された。最後に「ウイルスの増殖する環境が異なれば優勢増殖するsubpopulation(小集団)も変わる。その事が変異という現象で現れる。」と結論づけた。

動物もストレスが大きいほどかかりやすい、と言う内容は大変印象的であった。

講演2:中山哲夫氏「新型コロナワクチン ―今更人に聞けないけど―

中山氏は新型コロナワクチンの専門的な知見から主にワクチン開発のプラットフォームについて、SARS-CoV-2ワクチンの性状と現状、また、有効性と副反応について述べた。特に有効性と副反応は大変気になるところである。

生ワクチンと不活化ワクチンのことについてイラストなどを使用した資料でわかりやすく説明された。不活化ワクチンの最初は狂犬病だったことは身近に感じた。

その後、変異株についてやワクチンの追加摂取についても今後の課題点とし、最後にワクチンの日本語表記が『白神』であると締めくくった。

講演3:吉崎氏 森川氏第22回講演会予告

次回講演会の発表・内容をスライドを使用しわかりやすく解説した。

講演4:野口千代子氏声は心と身体のバロメーター

当講演会ではレギュラーとなっている野口氏は、認知症予防に関する内容を発声と運動を通して発表された。

声を出すことによって循環器系の働きも良くなることを資料で解説し、オーラルフレイル(口腔内の加齢による虚弱)予防や簡単なリズム運動で脳の働きを活発にする方法を実践した。

また、野口氏の指導通りに行った座ったまま行うマラソンは会場全員で行い参加者へ活力を与えた。

講演会前後などの時間を使って皆様の毛細血管観察を行い、健康状態を観察した。

NPO法人QOLサポート研究会は開催に至るまで新型コロナウイルスに対する感染予防対策を多方面から検討し準備を進めた。

「QOLを高める」をテーマにした今回の講演会は現状に沿った内容となり新型コロナウイルスやワクチンの基礎を学ぶことができた。感染症対策を取り入れる生活が通常となりつつある中大変貴重な学びであり、市民の皆様のQOL向上を目的とするNPO法人QOLサポート研究会の活動を前進させる成果を得たと確信した。