当会の「酸素マスター講習会」から、質問をいただいておりますので、
下記Q&A形式にてその一部をご紹介いたします。

(各質問をクリックすると詳細を読むことができます)

ウイルスの「潜伏期間」と呼ばれる間は何をしているのでしょうか?

潜伏期間とはウイルスが体内に入り細胞に接着、感染してから症状が出るまでの期間のことです。
因みに、新型コロナウイルスの場合は平均5日、インフルエンザウイルスでは平均2日とされています。

感染までの潜伏期間中は、宿主(人)の防御機能が対応します。
先ずは物理化学的防御機能で唾液や胃液や乳酸などによる殺菌・静菌作用、のど、鼻、腸などの粘液や繊毛運動や蠕動運動や咳やくしゃみなどの不随意、随意運動での遺物の排除,排尿、排便による洗浄作用などがあります。これが突破されると自然免疫的防御機能が働き始めます。

生体内に侵入した病原微生物は,好中球やマクロファージ、樹状細胞などの貪食細胞によって排除されます。更に、以前の感染やワクチンで得られた獲得免疫が抑え込み排除します。

然しながら、抑え込めなかったウイルスは細胞に感染し細胞内で増殖を始めます。細胞内で増殖しているため、異物として認識できないので生体防御は働きません。
細胞内でウイルスの増殖が進み細胞を死滅させ、ウイルスは次々に細胞に感染して一気に数が増えます。
こうなると体内の免疫でウイルスと戦うため、発熱したり、息苦しくなったり、体がだるくなったりする症状が出ます。
この時点で、宿主側が強ければ感染は早く治りますし、弱いと長引き死に至ります。

宿主を強くし、免疫を高めるにはエネルギーが必要で、その為には酸素です。また、細胞を刺激するためには運動が必要です。
また、この期間ウイルスは細胞に入り増殖を始めています。

免疫細胞が劣勢となった時から発症となるのでしょうか?

そうです。感染することで免疫の精鋭部隊が集合し戦いますので、感染からが大決戦です。
また、感染しても発症しないまたは発症しても重篤化しない方は、本人(宿主)が元気だからです。
ただ元気であっても、相当量のウイルスが一気に体の中に入り感染するとやられてしまいます。

潜伏期間に酸素補給を心がければ発症は免れるのでしょうか?
また、その際に抗体は獲得出来るのでしょうか?

酸素補給してエネルギーをいっぱい産生し、体中の細胞を活性化しておくことが大切です。戦う兵隊と兵器をたくさん用意できるからです。
また、通常の生体防御と自然免疫で感染に行くまでに抑えられるかもしれません。

獲得免疫も細胞がコントロールしています。感染をすると抗体獲得できます。感染に気が付かず、後々の血液検査で抗体があり感染していたんだという人もいっぱいいます。新型コロナウイルスに対しても今後報告されると思います。

参考:生体防御
皮膚:汗腺・皮脂腺(リゾチーム)により弱酸性。ケラチンを合成し、皮膚の表面で角質層を形成する。
扁平な死細胞で体内水分の蒸発や、異物の侵入を防御。
眼:涙による物理的防御。
鼻:鼻水・鼻毛・線毛による物理的防御。
口:唾液による物理化学的防御。
咽頭:痰による物理的防御。粘液の殺菌作用による化学的防御。
気管:粘液の殺菌作用による化学的防御。せき・くしゃみによる物理的防御。
胃:胃酸や酵素で微生物を物理化学的防御。
大腸:腸内細菌が病原微生物の繁殖