- はじめに
- 毛細血管観察に関して
- 毛細血管とは
- 毛細血管の観察方法
- 毛細血管の形と健康状態との関係
- 血流スピードが速いと良い理由
- 観察部位の赤み変化の意義(SpO2との関係)
- WOX®との関係(水や野菜ジュースとの比較)
- 毛細血管観察のまとめ
1)はじめに
人体のほとんどは、37兆個(2013; Eva Biancon)もの細胞で作られています。
これらの細胞を活動させるには、細胞エネルギー(ATP)が必要で、このエネルギーを作るには、水と栄養素と酸素が必要です。つまり、このエネルギーを作るために産生工場である細胞のミトコンドリアに、これらを血液を介して届けなければなりませんが、ここで重要な役割を果たしているのが、全身に網の目のように張り巡っている「毛細血管」です。
毎分約4~5リットルの血液が、体中を常に巡っています。心臓から血液を全身に送り出す「動脈」と、血液を心臓に戻している「静脈」はよく知られていて、動脈は栄養素や酸素を水に溶かして全身に運び、静脈は老廃物や二酸化炭素を水に溶かして回収するとされています。然しながら、動脈と静脈だけでは細胞に重要な成分は届きません。そこで大切となるのが、動脈や静脈から枝分かれし、全身に網の目のように張りめぐらされている「毛細血管」なのです。
「毛細血管」は、単層の細胞だけで出来ていて細胞エネルギー量の影響を受けやすいので「形」や「本数」、その中を通る「血液の血行状態」や「色」などを見ることで健康状態が推定できます。
我々は、日米中で物質特許を取得した「酸素補給水WOX-ウォックス-」を使用して毛細血管観察を行う機会を得、1000例を超える検討を行って参りました。そこで、今までの毛細血管観察の報告に我々の結果や新知見を加え「有用な毛細血管観察(第一報)」としてまとめてみました。 この資料が皆様の健康維持に役立てますことを願っております。
2)毛細血管観察に関して
「三大栄養素」の炭水化物・タンパク質・脂質は腸で消化され、体に吸収されます。栄養素の多くは毛細血管から肝臓に集められ、必要に応じて静脈から心臓を通って全身へ運ばれます。
「水」の多くも腸で体に吸収されますが、30分程かかるとされています。
「酸素」は肺の肺胞で細かくされ赤血球のヘモグロビンに結合して「結合型酸素」として心臓を通って動脈により全身に運ばれますが、「結合型酸素」の状態では細胞に酸素は届けられません。そこで、赤血球より細い毛細血管が必要となります。毛細血管を通過する際に、赤血球が折れ曲がりねじれることで酸素がヘモグロビンから外れて「溶解型酸素」として栄養素と一緒に水に溶けた酸素が細胞に届きます。
また、細胞の老廃物や二酸化炭素を細胞から回収して静脈に流し込んでいるのも毛細血管です。つまり、毛細血管は動脈と静脈に繋がっているのです。この毛細血管の働きにより、細胞エネルギーが細胞内で作られ、細胞が活性化することで、我々は元気で健康でいられます。例えば、心臓の心筋細胞を養うための成分は、毛細血管経由で運ばれていますので、毛細血管の梗塞によるトラブルや減少は、心筋梗塞や老化の原因に直結します。実際、がんなどを含む多くの疾患に毛細血管の状態が深く関係するとされています。よく言われる「血行を良くする」とは、まさしく「毛細血管の血流を良くする」ことです。
毛細血管観察は、本人が今の血行状態を直接見られますので、健康や生活習慣改善の意識付け、更にはQOL(生活の質)向上にも繋がります。
3)毛細血管とは
動脈や細動脈が圧力に耐えられるように内皮細胞と平滑筋、膜の三層構造になっているのに対し、毛細血管は単層の内皮細胞のみで構成されています。大きさは 直径7μm 前後で、赤血球は折れ曲がったりねじれたりすることで通り抜けられる大きさで、厚さは 0.5μm程 です。内皮細胞は薄い板状で、核の部分だけが厚く盛り上がっています。
血流や血液、細胞エネルギーの影響を受けやすいので観察に役立ちます。
※動脈や静脈は管ですが、毛細血管は細胞のつらなりです。加齢や生活習慣により変形したり減ったりします。(ゴースト血管)
全身の血管の99%は毛細血管で、つなぎ合わせるとその長さは地球2周半(約10万キロ)とも言われています。生命活動の最小単位は37兆個の細胞で、毛細血管も赤血球も細胞です。身体中の組織細胞に網の目状に分布した毛細血管内を流れる動脈から来た血液が、細胞一つひとつに水・栄養・酸素を供給し、二酸化炭素や老廃物を静脈に流し込み体外に排出する働きをしています。
4)毛細血管の観察方法
①使用機器と種類
AF マイクロG-スコープ 250倍 / 350万画素
定価:195,800円 (本体価格:178,000円)
B SCAN-Z 80-370倍
定価:348,000円
②指、それも利き手と反対の薬指を使う理由
指の毛細血管は横に走る状態で、ループ型に見えますので、形や血液の流れが確認し易いからです。
薬指はあまり使用されない指で、特に甘皮部分の皮膚が薄いので、毛細血管が見やすくなっています。まれに仕事やスポーツなどの影響で、この部分の皮膚が厚く硬化していたり、皮膚の色が濃くなって、見えにくい方がいらっしゃいます。その際は、小指や中指、利き手の薬指を観察してみて ください。それでも見にくい場合は、先端ではない内側の毛細血管を観察してください。
③オイル塗布の理由
オイルを塗る理由は、皮膚直下の毛細血管を透かして見るためです。
オイルを塗らないと皮膚が邪魔をして、その下にある毛細血管が見えにくくなってしまいます。使用するオイルは、植物性の食用オイルなのでご安心ください。
スコープから出る光の散乱をオイルで減らし、集めることで皮膚下の毛細血管が明るく鮮明に見られます。
④その他
見る場所に応じてスコープに装着する専用のアタッチメントがあります。
- 標準:肌、頭皮、舌、唇など
- 毛細血管観察用:指
- 穴やコーナー用:毛根など
5)毛細血管観察のポイントと形と健康状態との関係
観察例と考えられる理由
- 真皮乳頭の形を見て、新陳代謝の状態を確認します。真皮が表皮側に突き出た最上層部分、連続して存在するため境目は波形状になっています。真皮乳頭は真皮と表皮の接触面積を増加させ、毛細血管が供給する栄養素、水、酸素を出来るだけ多く表皮に供給しています。
- 血流の速さを見て、血液の流れを確認します。血流スピードが速いと沢山の栄養素、酸素、水分を細胞に供給し、細胞の新陳代謝で不要となった二酸化炭素や老廃物が溶け込んでいる水を素早く持ち帰れます。
- 毛細血管の形や数を見て、身体の健康バランスを確認します。(*3)血流スピードが遅かったり、十分な細胞エネルギーがなかったりすると、細胞の形を維持できず毛細血管が曲がります。また、毛細血管の数が少ないと表皮に十分な栄養素や酸素水を供給できず、細胞エネルギーが不足します。
- 血液や組織の色や濁りを観察して老廃物の蓄積状態を確認し、赤色度合いを観察することで酸素供給状態も確認できます。
まっすぐに伸びたヘアピン状の毛細血管が、規則正しく伸びています。(血管が柔らかい)この画像ほどキレイな毛細血管の方は非常に少ない。全体の数パーセントしかいません。酸素がしっかりと行き届いている毛細血管といえます。
毛細血管のループがねじれている状態です。ストレスや酸化したものを摂る食習慣がある可能性が考えられます。水分不足の可能性も。(血管が硬い)酸素不足で一部にゆがみが発生し、ねじれが生じてしまいます。
毛細血管の大きさが太い状態です。 肉や脂を過剰に摂る食習慣がある可能性が考えられます。
毛細血管のループの縦の長さが短い状態です。食事や運動習慣など何らかの原因により毛細血管が発達していない可能性が考えられます。
横に走る毛細血管が映る状態です。 ストレス・オーバーワーク・食べ過ぎ・運動過剰もしくは運動不足などの可能性が考えられます。一つ一つの血管を維持できるだけのエネルギーが無くなってしまったからバイパスをつくって補助します。
毛細血管の周りの細胞外液が濁っている状態です。毛細血管の折り返しの頭しか見えない状態で、睡眠不足やかなり疲労している可能性が考えられます。
―毛細血管ラボ抜粋― 参考:小川三郎著『毛細血管像と臨床』
6)血流スピードが速いと良い理由
- 「酸素、栄養、水」を素早く身体に届けることができ、代謝アップにつながります。
- 「二酸化炭素、老廃物」を回収し、素早く身体の外に排出できます。心臓から出た血液はわずか30秒~1分で心臓に戻りますが、血流スピードが遅ければそれだけ「酸素、栄養、水」を届けるのが遅れ、不要な老廃物もスムーズに排出できません。同時にこの循環の回数が減ため代謝が悪くなり、体調を崩してしまいます。
7)パルスオキシメーター(SpO2)と観察部位の赤み変化の意義
パルスオキシメーターは指の先に装着し、皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定する装置です。肺から取り込まれた酸素は、赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているかを赤色度合いで示す値で、赤みが強いと値が高くなります。酸素飽和度(SpO2)は、肺や心臓のコンディションが悪くなり酸素を体内に取り込む量が減ると下がります。肺炎や睡眠時無呼吸症候群などの簡易診断に使われますが、加齢や労作時にも低下します。
一般的に96%以上が正常値とされ、95%以下の場合は十分な酸素を全身に送れなくなっている可能性があるため、適切な対応が必要です。測定値のもつ意味はその人の状態やかかっている病気によっても異なるため、測定値の判断は医療専門の方の指導を仰ぐことをお勧めします。
パルスオキシメーターと毛細血管観察は指のおなじ部分を測定しています。
毛細血管観察部位の赤みが増すのはSpO2の値が上昇していることを示しています。つまり、観察部位だけでなく体全体の酸素量が増えていることを示しています。
8)WOXとの関係(水や野菜ジュースとの比較)
①水とWOX
これに関する臨床での比較検討結果は文献として医学雑誌に掲載されています。水では飲用後1分では血流スピードに変化ありませんでしたが、WOXの場合、10秒内にスピードが上昇し、毛細血管が増回、観察部位の赤みが増しました。
②野菜ジュースとWOX
健康維持に必要な成分が沢山含まれる野菜ジュースと野菜ジュースの半分量をWOXにした検体との比較検討を行った。野菜ジュースでは血流スピードに変化なかったが、半分量をWOXにした検体は飲用後5秒でスピードが増し、赤みが増しました。
①②の結果より、WOX飲用により水と一緒に酸素が補給され、細胞の代謝が高まり血行が良くなったためと考察します。
9)毛細血管観察のまとめ
出来るだけ回数を増やして自分の健康状態を確認しておくのがおススメなど毛細血管は、健康状態にリンクして日々変化しますので、毛細血管観察を時々行うことで最新の健康状態を知っておくことが大切です。また、自分だけでなくパートナーやご家族も一緒に今の健康状態を直接確認できますので、日常生活での健康生活の実践と習慣化を図る動機付けにもなります。
毛細血管観察でQOL(生活の質)を上げていきましょう。
できるだけ回数を増やして、自身の健康状態の確認をしておくことがおススメです。