アトピー性皮膚炎の発症の原因は1つとは断定は出来ない
「多因子性」であると言われています。
患者様の数だけ、症状の数だけ、複雑に絡みあう原因があると考えられています。
実際に私も、病院を変更するたびに
・腸が悪いです・自律神経失調症です・血液検査の結果で●●を控えましょう
と、先生によるお見立てが一致した事はありませんでした。
そのため、1つの診断だけで主因を決めつけず
様々な角度から考察する事も、重要な治療方針のひとつではないでしょうか。
●遺伝的な要因
アトピー性皮膚炎は遺伝的要因が大きな割合をしめるという見方は多くあり、
遺伝学的な研究と解析が進んでいます。
“なぜ発症時期や、重症度など個人差が生まれるのか?“
については今だに未解明な部分が多く残されており、大きな課題となっています。
その中でも、痒みのメカニズムと重症化リスクの関係は、患者様の生活の質、
ひいては患者様の人生にも大きく関わるため、解明が急がれています。
●環境因子
アトピー性皮膚炎の患者様には、治療を進めていくにあたり、
悪化させないための生活環境の整備がとても重要です。
お食事・お水・洋服の素材・洗濯洗剤・お風呂グッズ・化粧品・小まめな掃除…
健康な方でしたら気にしなくても大丈夫な所でも、
患者様の場合には、何が痒みの引き金になるのかがハッキリとしていないため、
ご自身ができる限りで、考え得る原因は減らしていく事が望ましいとされています。
最近の研究では、ダニ・花粉・黄色ブドウ球菌などは
免疫を介さずに皮膚のバリア機能を破壊してしまう事が分かっており、
これらと免疫の反応も深く関わりがある事も分かってきています。
免疫反応が過剰な時には、自分の汗や髪の毛1本でも痒みとして反応してしまうの
を経験しているので、神経も過敏になっているのだろうなと感じています。
●心理的要因
大人になるとアトピー性皮膚炎は治りづらいと聞いた事はありませんか?
進学・受験・就職・転職・出産など、生活環境の変化が大きい時期に、
心理的に過度なストレスがかかり、再発・重症化するケースがとても多いとされています。
私自身、親の管理下にあった頃には寛解を迎えていましたが、
高校生・大学の就活の時期・大人になって大きな変化を求めた時に悪化してしまいました。
悪化する時には、一気に悪化し、さらに治りずらく、終わりが見えなくてとても恐怖感がありました。
生きていく上で避けては通れない人間関係も含めて、自分の思考の癖や、心の状態と向き合いながら、
小まめに心のケアを治療の一環として進めていくことも、
悪化させないためにとても重要だと考えられます。