アトピー性皮膚炎とは
アトピーはギリシャ語でATPOS
「奇妙な」・「捉えどころのない」といった意味が語源となっています。
20世紀に入り、体内に異物が侵入すると起こる反応を
「アレルギー」と呼ぶようになり、
1933年、アメリカの皮膚科医ザルツバーガー氏が
体質性湿疹、内因性湿疹などと称されていた病気は
アレルギー病の分類に入るとして、これらを1つにまとめ「アトピー性皮膚炎」という病名を提唱しました。
その後、世界でこの病名が定着したものの、
アトピー性皮膚炎と診断された患者のうち、およそ3割の人は皮膚炎だけの症状で、
喘息やアレルギー性鼻炎は起こしていなかったという疑問が湧き起こり、
約30年後、ザルツバーガー自身が「アトピー皮膚炎=アレルギー疾患」という概念を訂正したそうです。
現在も「アトピー性皮膚炎」はアレルギーが原因なのか?そうではないのか?の研究は続いています。
アトピー性皮膚炎は、子供の頃に発症した場合、
成長とともに寛解に向かうケースも多く見られますが
また、一方で大人になって酷く再発するケースも多い病でもあります。
複雑に絡み合う原因を1度に取り除く事は困難なため、
悪化と寛解を繰り返す中、患者本人と医者が信頼関係を築きながら、
自分に合った根本改善の方法・諦めない治療を見つけられる事がとても重要となっていきます。
日本皮膚科学会で決めた診断基準では、主症状である
・痒みがあること
・特徴のある発疹とその範囲
・慢性的に繰り返す痒みなどの経過
が大きな3つの診断基準となっています。大まかな診断基準はあるものの
生まれ持った体質・育った環境、
その日の体調や天気・精神的・肉体的ストレスの度合いなどにより、
症状の悪化・改善の振れ幅が大きいため、
特定の検査をしたからといって、診断確定が出来る病気ではありません。
また、ご家族が気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎を持っている場合が多く、
IgEというアレルギーに関する抗体を保持しており、数値がとても高い事も特徴の1つに挙げられています。
そのような性質を「アトピー素因」を持っていると表現されます。
発症のメカニズムについては、現在も様々な視点で解明途中です。
各方面からの研究は患者にとってはとても有難い話しではありますが、
何が自分の発症原因で、どんな治療方法が自分には合っているのか。
治したい一心の患者にとっては、情報の精査がなかなか出来ず、
混乱し、治療に迷いを生んでしまう事も否めません。
原因を取り除く事もとても大切ですが、
まずは、自分を構成する「全ての細胞を元気にする」
という事は、万物に共通する、必須事項では無いでしょうか。