ペットのQOLを高める

日本獣医生命科学大学 准教授 川角 浩氏

1.飼い主様と共に健康になる! 動物と人の予防医学研究会理事長中江 大先生も同じ意見です。

ペットのQOLを高めるには飼い主様と共に健康になるのが一番。
飼い主が肥満だとペットも肥満になりやすい。

 

2.酸素不足は多くの病気発症と関連している(野口英世先生)


3.エネルギー代謝を活性化するにはミトコンドリアをしっかりと機能させることが必要で、その為には、水と酸素と栄養素の補給が欠かせない。(松本高明先生)



4.病気になってからでは遅い‼
予防医学的見地より病気を防ぐ。「未病」医学の理解が必要。

5.動物種によって代謝は異なる。だから、猫にドックフードを与えてはならない。
また、ペットに人の食事を与えてはならない。すぐにカロリーオーバーになってしまいます。

6.糖尿病は糖代謝の病気か。

 飽食して体の中に入った過剰の糖は脂肪細胞にて中性脂肪として蓄えられる。日本人は特に腹腔内の内臓脂肪に蓄えられやすい。異所性脂肪と言います。そして脂肪細胞は肥大化します。脂肪細胞からは過剰な中性脂肪は、遊離脂肪酸(Free fatty acid:FFA),(Non-esterified Fatty Acid, NEFAとも言う)として血中に漏出すると、遊離脂肪酸は脂肪細胞では慢性炎症の原因となる毒性物質となり、脂肪毒性(lipotoxicity)という症状を引き起こす。

高血糖がさらに持続すると、脂肪細胞以外の臓器、例えば膵臓のβ細胞では高血糖を抑えるインスリンの過剰な分泌が持続的に起こり、オーバーヒートした結果、インスリン耐性というに現象に陥る。このように糖尿病は糖の代謝障害に続く脂質代謝障害が病気の本体として捉えることが必要で、これは、人の2型糖尿病と同様な発症メカニズムと捉えることができる。肉食動物のイルカも水族館で飼育されると糖尿病になるのは、運動不足という原因の他、前述の機序によるものと考えられる。 

7.じつは猫は犬より肥満しやすい動物。そのメカニズムについて、ご縁があれば、QOLサポート研究会の会員の皆様と、次回勉強をしたいと思います。気持ちは1つです。
犬はインスリン依存型糖尿:1型糖尿病
猫はインスリン非依存型糖尿病:2型糖尿病
が多く、人間が考慮すべきは猫の糖尿病である。


8. 人に対しての注意点

Sugar Highな生活に気を付つけましょう。
メキシコ、チアパス州、チャムラでは、2歳からコーラを飲む習慣がある。
アメリカ、テキサス州、マッカレンでは人口の約30%が高血糖、25%が糖尿病、37%が健康障害をもっている。
数年前までは裕福な人ほど肥満体形だったが、現在は真逆な現象が世界中で広まっている。

9.一般の方々にお話する時、気を付けていること。

 1)嘘は絶対に言わない。

 2)今まで正しいと信じてきたものに、間違いが
  あったと気付いた時には直ちに訂正する。

 3)調子のいい話しをしない。特に、お酒の席
  では気をつける。

10.松本高明博士にこれまで2度程お言葉頂きました。「川角先生がWoxを選んだのではなく、Woxが先生を選んだ」と。じつに光栄なお言葉。私は神様のお言葉のように大切にしております。