アトピー性皮膚炎とバリア機能改善①

皆様、こんにちは。
“暑さ寒さも彼岸まで”とは言いますが、例年よりも残暑が続いていますね。
そんな中、暦に合わせてピタッと咲く時期を揃える彼岸花を見て感心してしまいます
。そんな秋の入り口、お肌の調子はいかがでしょうか?
エステ業界の方に最近のお客様のお肌の様子を聞いたところ、秋の花粉症に悩ん
でいる方が増えたそう。普段は痒みが少ない所に痒み・赤みが出た場合は、自覚
症状がなくても花粉にお肌が反応している可能性があります。私もなんだか耳の傷
やカサツキが取れなくて疑問だったのですよね…
春に比べ、花粉対策が甘くなりがちな時期。お肌の変化をキャッチして、大きな炎症
の引き金にならないよう早めに対策を取りましょう♪
その重要な対策の1つとしてバリア機能の強化があります。
病院でもメイクカウンターでも私達アトピー性皮膚炎の患者は必ず言われるであろう
この言葉。大切だという事は理解しているから、誰か本当のバリア機能の改善方法
を教えて!!と何度思ったか分かりません。
そこで、今回と次回はこのバリア機能について、実体験と合わせて深堀りをしたいと
思います。バリア機能についてもっと早く知りたかった…と思う考え方なのでぜひ目
を通していただけると嬉しいです。
バリア機能とは
バリア機能とは、皮膚が持つ機能のうち、外部からの刺激や細菌やウイルスなどの
侵入を防ぐ機能の1つです。
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層からなり、表皮の表面にある角質層や皮脂膜
がバリア機能の重要な役割を果たしています。
皮脂膜は油分でできており、水分の蒸発や細菌の増殖を抑えます。また、表皮肉間
違いですね内にあるメラニン色素は紫外線を吸収し、真皮への透過を防ぎます。
バリア機能は、肌を守るだけでなく、体温調節(考えたことが無かったです!)や免
疫機能にも関係しています。
バリア機能が低下する原因には、乾燥、紫外線、摩擦、ターンオーバーの乱れ、加
齢などがあります。
バリア機能とアトピー性皮膚炎の関係
バリア機能とアトピー性皮膚炎の関係は、密接に結びついていると言われています
。バリア機能が低下すると、外部からの刺激やアレルゲンが肌に侵入しやすくなり、
アレルギー炎症を引き起こします。アレルギー炎症は、かゆみ物質を放出し、かゆ
みを誘発します。そひして、かゆみを掻いてしまうと、角質層が傷つき、バリア機能
がさらに低下します。このように、バリア機能の低下とアトピー性皮膚炎の症状は相
互に影響し合っています。
バリア機能の改善方法
バリア機能の改善方法には、スキンケアや薬物治療があります。スキンケアでは保
湿剤を塗布して皮膚のバリア機能を回復します。

薬物治療ではステロイド外用剤や非ステロイド外用剤などを使用して炎症やかゆみ
を抑えます。(ステロイド外用剤は強力な抗炎症作用がありますが、長期間使用す
ると副作用のリスクがあります)
ステロイドは皮膚の炎症をすぐに収めてくれるので、アトピー性皮膚炎の患者様の
QOLも一緒に改善する特効薬ではありますが、内部ではまだ炎症が残っている場
合があるので注意が必要です。ここで、独断で薬を辞めてしまうとまたぶり返してし
まいます。(私はステロイドを怖がっていたのでこの重要性に気が付けなかった過去
があります)
プロアクティブ療法
皮膚炎が軽快した後も、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの抗炎症薬を
定期的に塗り続けることで、再発や悪化を予防する治療法です。
この治療法は、皮膚の表面だけでなく目に見えないレベルでの炎症を抑えることで
、皮膚のバリア機能を回復させる効果が期待できます。
プロアクティブ療法は、2015年に日本アレルギー学会が作成したアトピー性皮膚炎
診療ガイドラインで推奨され、その後、2018年に日本皮膚科学会と日本アレルギー
学会が統合したアトピー性皮膚炎診療ガイドラインでも、基本的な治療方針として示
されています。
また、皮膚炎診療ガイドラインでも、プロアクティブ療法が基本的な治療方針として
示されています。
一方非ステロイド外用剤はステロイド外用剤よりも安全性が高く、長期間使用できま
すが、効果が出るまでに時間がかかる場合があります。
まとめ
上記が近年のアトピー性皮膚炎の治療における基本方針、そして私が病院で指導
を受けて試してきた治療内容です。
皆様はどんな治療をなさっていますか?また、今現在悩まれている方は、これまで
の方法でバリア機能の改善をしっかり感じた方法、または全く感じなかった方法など
をぜひ教えて下さい。
誰一人として、同じ体質・同じアトピー性皮膚炎の症状の患者様はいません。
方法と実体験について分析をしてみたり、誰かに話してみると頭が整理され、理解、
納得が出てくると思いますので、一緒に振り返ってみませんか?お気軽にお問合せ
ください♪
次回は、私がバリア機能の回復を感じた方法、それがアトピー性皮膚炎の改善に繋
がった秘訣についてお話しします。これは病院では習えないとても大切な事。
次回も読んでくださると嬉しいです。